目を覚ませ、現実を見よ、日本人!!

「なぜ、もっと早く公表しないのだ!!」、いや、これは新国立競技場の話ではありません。7月23日に、政府が公表した中国ガス田12基新設のことです。

中国が中間線付近にプラットホームを建設しているらしいことは、前々から話題になってはいたが、場所や基数に加え写真まで公表したのは今回が初めてだ。しかも、すでに12基も建設しているなんて、2度ビックリだ。

尖閣南シナ海に目を奪われている間に、中国が東シナ海においても、着々と洋上に軍事基地の建設を進めていたということだ。

最近の日中間の関係改善の動きは、あくまでも時価稼ぎであり、目くらましにすぎないことが、これではっきりしたわけだ。

写真を見ると、工事はかなりの段階まで進んでおり、その数からして、昨日や今日の短期間で建設した代物でないことは確かだ。

日本側が把握したのは、2013年6月以降のことだそうだが、これだけの数のプラットホームを洋上に建設するのに、僅か2年で出来るはずはないから、もっと前から着手していたのだろう。

そうすると、着手した当初からの情報を得られなかったことは、それだけ、防衛省の情報収取能力が低いことであり、今後は、東シナ海における情報収集体制を一層と強化する必要があるだろう。

また、2年間も公表しなかったことも大きな問題であろう。プラトホームとはいえ、洋上に計16基も建設することは、軍事基地への転用が十分考えられ、これは、即、日本に対する軍事的脅威の増大に直結するものであるから、もっと早くから公表して、世論を喚起する必要があったのではないだろうか。

安保法制が、これほど国民に理解されないのは、安倍内閣がいくら日本の国際環境の変化を口酸っぱく説明しても、一般国民と当事者との間に、大きな認識のギャップがあることに根本原因があることを考えれば、今そこにある日本に対する脅威の実態を明らかにして、そのギャップを埋める努力をしなれば、国民は何時まで経っても危機感を持たないし、理解しょうとはしないだろう。

だからこそ、憲法違反、戦争反対、徴兵制反対などと、ピントのずれた空理空論の宣伝に安易に乗せられてしまうのだ。

論より用証拠、防衛省が持っている中国軍の脅威の実態をもっと明らかにして、国民に知らしめること。これが、まずやるべきことであろう。

そして、もし安保法制を整備しなければ、近い将来、日本がどのような危機に晒されるかも合わせて明らかにすべきである。

これを言えば、中国を刺激するのではないかと言った過剰な配慮は、益々、中国を増長させるのみならず、国民に誤解を与えるだけであり、これでは、いつまでたっても、平和ボケから脱することは出来ない。中国だって日本を十分刺激する過激な発言を繰り返し行っているのであるから、お互い様だ。

この情報を、安保法案を国会に提出する前に公表しておれば、国内の雰囲気はもっと違った、緊迫したものになったかもしれない。

そうすれば、憲法学者憲法違反発言に飛びつくことなく、衆議院特別委員会における審議も、少しは、まともに行われたかもしれない。

2010年の漁船衝突事件の愚を繰り返してはならない。どんなに重要な情報も使い方を間違えれば、何の価値もないのだ。

衆議院特別委員会では、憲法違反か否か、集団的自衛権を認める、いや認めないと、現在日本が置かれている国際環境そっちのけで議論され、結局、議論は平行線に終わり、国民も余り理解できないまま強行採決に至り、これが内閣の支持率低下につながった。

この教訓を生かして、参議院では、とりあえず、賛否両論ある憲法違反論議は脇に置いて、安保問題に関連する具体的で深みのある現実的な議論をして欲しいものだ。

一寸した失言に飛びついて、鬼の首をとったように執拗に追及し、本質的な議論を一切することなく、審議拒否や採決欠席を繰り返すのはサボタージュであり、政治家として、公党としての責任放棄だ。そんな政治家や政党に対しては、給料を返せ!!政党交付金を返せ!!と言いたい。

また、国民も安易なスローガンに惑わされるのではなく、中国の軍事的脅威を直視し、日本としてどうあるべきか、日本人としてどうすべきかを国会の論戦を通じて、真剣に考える必要があろう。

もう、戦争反対と叫んでいれば、平和は維持される時代ではないし、そんなに悠長に構えている暇はないのだ。