中国の軍事パレードは、平成の黒船!!!

9月3日に行われた軍事パレードは、史上空前の規模で行われ、各種弾道ミサイルを始め空中空輸機や最新戦闘を登場させて、内外に遠戦能力の高さを誇示した。

しかし、その一方で、厳戒態勢の下、経済活動や市民生活を厳しく制限し、一般市民を排除して行われた。

兵士達が「人民のために奉仕します」と叫んでいたが、その肝心の「人民」が排除された中で行われたのであるから、パレードが行われた天安門周辺は、「人民の海」から隔絶された孤島の中で行われたようなものだ。

まさに、習近平のための、そして、共産党のためだけの軍事パレードであったと言われる所以だ。

また、日米のみならず欧州主要国の首脳が出席しなかったことにより、中国が「戦勝国」の一員であることを誇示することも出来ず、結局は、習近平一人よがりの茶番劇に終わってしまった。

しかも、同じ日に、新疆で爆発事件が発生したことにより、経済減速のみならず社会不安も依然としてあることを改めて世界に認識させてしまい、習近平の面目は丸つぶれとなった。

せめてもの幸いは、北京市内で何も起こらなかったことと、パレード中に戦闘車両や航空機が故障しなかったことであろう。

中国の製造技術や軍事科学力のレベルを考えると、パレードに登場した兵器が、本当に実戦に使えるのかどうか疑問は残るが、中国の軍事力に脅威を感じた周辺国は、これを契機に軍拡に走ることであろう。

日本国民も、今回の軍事パレードを目の当たりにして、中国の軍事的脅威が現実のものであることを、痛切に感じとったことであろう。

1853年の黒船来航は、日本人の対外意識を一変させ、これが明治維新の引き金となったが、今回の中国の軍事パレードは、まさに、平成の黒船なのだ。

もはや、平和憲法の呪縛に捉われている暇はない。一国平和主義では、強大な中国の軍事力に対抗できないし、いくら日本人が戦争は嫌だと叫んでも、日本が弱いと分かれば、戦争は相手から仕掛けられるのだ。

中国の軍事力増強を間接的に助ける経済的な支援は、敵に塩どころか金を送るようなものなので、金輪際行わないこと。

米国を始め、中国と対峙している国々との一層の連携・強化を図り、中国を軍事的に孤立させること。

また、自衛隊は対ミサイル防衛、離島防衛、海上封鎖(例えば、中国艦艇の音紋だけに反応する沈底機雷の開発)能力を向上させて、軍事的に封じ込める。など、米軍の力に全面的に頼らなくても、ある程度、対応できる能力を整備することが必要であろう。「天は自ら助くる者を助く」である。