新規参加のハードルを上げるTPP、その真の狙いは?

TPPの大筋合意後、その内容が発表されたが、農産物や畜産物に関しては、関税撤廃品目が、予想していたよりも多いなというのが正直な感想だ。しかし、その割には、農協や畜産団体の反発がそれほど大きくないのも、予想外であった。

 

もう、国には、補助金漬けにして農家や畜産家の延命を図るだけの余力はないし、ブランド牛や果物など、長年に渡る品質改良によって、輸出できるまでに成長している品目も数多くあることから、これをチャンスと捉える雰囲気があることも影響しているのだろう。

 

また、人気の高い小泉さんに対して、余りいじめているように見られると、逆に、自分達が非難されるおそれがあるから、圧力団体もやりにくいのだろう。

 

TPPというと、どうしても関税に関心が集まるが、その他の面でも、注目されるべき項目が多く含まれており、TPPの隠された真の狙いは、実は、これだったのではないかとさえ思えるのだ。そう、中国のTPP参加阻止と、中国寄りの国に対し踏み絵を迫ることだ。

 

ソースコード」の開示要求禁止は、ATMのソースコード開示を求める中国に対抗するものである。

 

また、「腐敗行為の防止」は、汚職や賄賂が横行し、自国企業を不当に優遇し、不透明な商慣行を続けている中国に対する牽制である。

 

オゾン層を破壊する物質の生産、消費の規制」は、中国に対し産業構造の大転換を迫るものであり、そのためには、巨額の資金投入が必要となる。

 

これは、経済が減速している中国にとっては大きな負担になるだけでなく、何よりも、環境技術を持っていないのだから、出来っこないのだ。軍事パレードの時のように、工場の操業を全面的に停止すれば話は別だが。

 

それとも、日本に頭を下げて協力をお願いする?いくらなんでも、メンツ上それは出来ないでしょう。これまで散々、日本を罵倒してきたのだから。

 

「自国の郵便保険事業が有利になる措置の禁止」は、日本の「かんぽ生命」を念頭に置いたものであるが、これは、中国に対しては国営企業、韓国に対しては財閥にも適用されることから、中韓両国は、もし参加すれば、国の基幹産業を保護することが出来なくなり、厳しい国際競争に晒されることになる。

 

中央政府機関が国際入札の対象」となったことは、公共事業の入札ルールの透明化を求めるものであり、AIIBを隠れ蓑にした中国の参入を阻止しょうとするものであろう。

 

もし、インドネシアがTPPに加入したいのであれば、中国の圧力に屈して、一方的に高速鉄道の導入を決定するようなことは止めなければならい。

 

人権に関する規定は、人権活動家の拘束や、ウイグルチベットなどで弾圧を続けている中国にとって、大きな障壁となるであろう。

 

要するに、中国がTPPに参加するためには、共産党政権がひっくり返るくらいの大改革を敢行しなければならないが、現状維持に汲々としている習近平にそれを期待しても、出来ない相談だよな~

 

かくして、中国は、太平洋においてTPPという、万里の長城を構築されてしまったのである。

 

朴さん、どうします?いつまでも慰安婦にこだわり、国家間の約束を守らないようでは、日本だけでなく、他の国からも参加の同意を得ることはできませんよ~。わかってます?