夢・幻であった中韓の蜜月

北朝鮮を抑えるには、オバマなんて当てにならない、ましてや、日本なんか目じゃない。やっぱり、頼りになるのは「寄らば大樹の陰」で、歴史的な宗主国である中国だ!!と踏んで、大統領就任以来、習近平に接近して歴史問題で共闘し、米国の意向に逆らってAIIBに参加するなどリップサービスを繰り返して「蜜月関係」を築き、その仕上げとして軍事パレードにも出席した。
朴大統領にすれば、これだけサービスしたのだから、いざと言うときに助けてくれるだろうと安心していたら、とんでもない勘違いであった。
1月6日、北朝鮮が水爆と称する核実験を行ったのだ。中国は、度々、北朝鮮に核実験を自制するよう忠告してきたが、完全に無視された上に、これまでのように事前通告すらされなかった。
大恥をかいた中国は、猛烈な反発と国連の非難決議に同意することによって、なんとかメンツを保とうとしたが、肝心かなめの制裁強化には消極的だ。
それどころか、盟友でツーカーであったはずの習近平との直接会談もできず、ホットラインによる協議にも応じようとはしない。
思い焦がれていた習近平に袖にされて頭に来た朴大統領は、13日、「困難な時期に手を握るのが最上のパートナーだ」と、積極的に動こうとしない中国に不満をぶつけたが、何を今更だろう。
中国が国益を損ねてまで、他国との信義を優先するなんてことは、天地がひっくり返ってもあり得ないことは、昨今の日本に対する態度でも明らかであろう。まあ、韓国も似たようなものだが。だから、気が合うのか?!
中国は自国の利益のためには、平気で恩義を受けた他国を裏切る国なのだ。
北朝鮮が必死で核武装することによって中国離れをして、米国にすり寄ろうとしているのも、中国にくっ付いていると、一方的に利用され、資源を収奪されるだけで、得るものは何もないと骨身にしみて悟ったからなのであろう。
それにしても、朴さん、慰安婦問題で政治的な「決着」をつけておいて良かったね。もし、順番が逆だったら、核を巡る日米韓の緊密な連携はとても無理で、韓国は更なる窮地に陥っていただろう。
ただし、慰安婦象は民間の問題だと逃げ、しかも、韓国地裁が慰安婦側に迎合した判決を出したため、いつものように、日本に責任を押し付けて「ちゃぶ台返し」をする可能性は大いにあるが。
その時は、中国にも頼れず、日本との関係も悪化し、米国との関係も疎遠になり、隣には核武装した北朝鮮と、本当に韓国は孤立するのである。正に、慰安婦によって国滅ぶだ。
核の小型化やSLBMの開発など、韓国に対する直接の脅威は益々増大する一方である。THAAD配備の検討を始めるそうだが、速やかに実行に移すべきであろう。最早、あてにならない中国などに遠慮する必要はないのだから。
北朝鮮の脅威がここまで顕在化した以上、日本との防衛協力もさらに強化する必要があるが、そのためには、「1000年も恨みを忘れない」「天皇が直接謝罪すべき」などと発言して日本国民の怒りを買った歴史問題や竹島問題に対して、今度は、韓国側が誠意をもって対応することが大前提だ。
それがない限り、更なる日韓両国の関係改善はなく、孤立化かこれまでのようにコウモリ外交を繰り返すだけであろう。