案の定のインドネシア高速鉄道

蜘蛛は餌を取るとき、まず、蜘蛛の糸で相手を絡めとって身動きできなくして、ゆっくりと料理して食べる。

中国が強引に日本から奪い取った、インドネシア高速鉄道のその後の経緯を見ると、正に、蜘蛛(中国)の糸に絡めとられた餌(インドネシア)と同じ様相を呈している。

最初は、「事業費の全額融資、政府の債務保証は求めない」と甘くささやきかけられ、タダで高速鉄道を建設してもらえると思い込んだジョコ大統領はこれに飛びついたのだ。

そもそも、熱帯雨林の山岳地帯において、僅か3年(日本案は5年)で完成させるというのだから無茶な話で、この見積もり自体が眉唾だし、手抜き工事をされるのは目に見えている。

こうした懸念があるにもかかわらず、1月21日に起工式が行われ、インドネシアは後に引けない状態に追い込まれてしまった。

蜘蛛の糸に絡めとったのを見計らって、案の定というか、ヤッパリと言うべきか、中国側は、事業が失敗した場合の政府保証をインドネシア側に求めてきたのだ。

こんなことなら、日本側の提案を採用した方が良かったと後悔しても、後の祭りだ。保証を付けないなら、融資をしないと脅しているそうだ。

しかも、建設に必要な許可も下りていないことから、どうひいき目に見ても、僅か3年で完成することなど不可能だろう。

そうなった時、インドネシア政府は、中国から責任を押し付けられて窮地に陥ることだろう。

インドネシア政府は、2004年に、フィリピンにおいて中国が手掛けた鉄道建設の結果がどうなったかを、教訓として学ぶべきだったのだ。

結局、この事業は全面凍結された後、日本が引き受け、一部区間ではあるが現在建設が進められている。

「タダより高いものは無い」「うまい話には、かならず裏がある」このことわざを、もっと良く噛みしめるべきだったろう。

インドネシア高速鉄道も、結局は、すったもんだの末に頓挫し、日本が引き継ぐことになるのだろうか?

それでも、手抜きのおから工事とパクリ新幹線で、大事故を起こすよりはマシかもしれないが。



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