昔々の結婚事情

昔々といっても、昭和20年から昭和40年の前半のころまでは、結婚はそれほど難しいものではありませんでした。

近所には、大抵世話好きの年寄りがおり、近所の子供が年ころになると、親に頼まれて、あちこち知り合いに手をまわしてお見合い写真を集め、それを本人に見せて、もし、お互いが興味を持てば、即、お見合いの場がセットされまた。

そして、お互いが結婚しても良いとなれば、本人達がなにもしなくても、親や親戚達が協力しあって、あれよあれよと言う間に結婚の段取りが整えられて結婚式が執り行われるのが一般的でした。

こんに具合ですから、男性であれば、20代後半、女性であれば、20代前半で結婚し、30代になると子供の一人や二人いるのが当たり前でした。

このため、30過ぎても独身でいる男性は半人前の変人扱いされ、女性であれば「行かず後家」と後ろ指をさされるのが落ちでした。

こうしたことが出来た背景は、まだ、「向こう3件両隣」という濃密な近所付き合いがあり、お互い貧乏人同士で経済格差もそれほどなく、男性も女性も、家庭でのしつけがしっかりしていたため、特別な条件を付けなければ、当たりはずれは少なかったこともあるでしょう。

当時は、戦後の復興期で経済成長が続いておりましたから、雇用不安もそれほどなく、会社も終身雇用や年功序列賃金が普通でした。

このため、将来に対する生活不安が少なかったため、女性も専業主婦として家庭に入れば良かったので、料理や裁縫、炊事、洗濯など家事が一人前にこなせれば良かったのです。

こうしてみると、こと結婚に関しては、当時はパラダイスのように思えますが、その一方で、娘が嫁に行くと、親は「片付いた」と言い、まるでモノ扱いでしたし、嫁ぎ先では、思い責任を負わされておりました。

それは、「3年たって子なきは去れ」と言われてように、子供が出来ない、特に、後継ぎである男の子を産まないと、「家に帰される」すなわち、離縁されてしまうのです。

これは、農家に良く見られたケースで、女性は息子の嫁であると同時に、労働力であり子供を生む機械でもあったのです。さらに、嫁姑の難しい問題も加わりましたから、結婚は、新たな苦労を背負わされる茨の道でもあったのです。

女性にとって、結婚は容易であったがモノ扱いされていた当時と、結婚難ではあるが、人間として尊重される今の時代と、どちらが良いのでしょうかね?

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